相談を受けていると、「答えが出ない」という悩みより、「そもそも何を問うべきかわからない」という状況のほうが多いと感じます。問いが曖昧なまま答えを探すと、どこかで行き詰まります。問いを整理することは、答えを出すことと同じくらい、あるいはそれ以上に重要な作業です。

「問題」と「問い」は違う

「売上が落ちている」は問題の記述です。「なぜ売上が落ちているのか」は問いです。この二つは似ているようで、思考の方向が違います。問題の記述は現状を指し示しますが、問いは探索の方向を決めます。相談の場で最初にやることは、持ち込まれた「問題」を「問い」の形に変換することです。これだけで、議論の質が変わることがあります。

問いが広すぎると動けない

「会社をどうすればいいか」という問いは、広すぎて動けません。問いは、答えが出たときに何かが変わるくらいの大きさにする必要があります。「来年度、この事業を続けるかどうかを判断するために、今月中に確認すべきことは何か」という問いなら、動ける。問いを絞ることは、諦めることではありません。今考えるべきことを決めることです。

問いを声に出して確認する

問いを紙に書いて、声に出して読んでみることを勧めています。声に出すと、「これは本当に自分が知りたいことか」という感覚が出てきます。書いた問いが、読んだときに他人事に聞こえるなら、まだ自分の問いになっていないかもしれません。相談の場でも、最初に「今日、何を考えたいですか」と聞くことから始めます。

問いは変わっていい

相談を進める中で、最初の問いが変わることはよくあります。「採用の問題だと思っていたが、実は役割分担の問題だった」という展開は珍しくありません。問いが変わることを失敗と捉えないでください。最初の問いは、本当の問いを見つけるための入口です。変わること自体が、思考が深まっているサインです。

問いを立てることは、技術です。練習できます。まず、今自分が抱えている課題を一文で書いてみてください。それが問いの形になっているかどうかを確認することが、最初の一歩です。